翌日、彼は用事があったので帰らなければなりません。
私は一人で街をフラフラするつもりでした。
すると、彼からの提案。
彼の家のそばにある博物館へ行ってみたらどうかと。
そこなら、ギリギリの時間まで一緒にいられるとのこと。
思いもよらぬ彼の提案に即賛成。
私の気持ちは、博物館へ行くことよりも
彼の住む街をこの目で見られることの方が嬉しかったのです。
一緒に電車に乗り、彼の家の方角へ向かいました。
窓の外がだんだん緑の多い景色に変わり、
都会から田舎へと変化して行きました。
彼の職場の最寄り駅で電車を降り、バスに乗り換え。
いくら休日とはいえ、もしかしたら知り合いに会うかもしれません。
バスを待つ間、少し周りを気にしながら
でもその景色を目に焼き付けたくて、結構キョロキョロしていたかもしれません。
しばらくして、彼の家の近くを通るバスがきました。
隣に座り、沿道の説明を聞きながら、
携帯電話で地図を見て、今ここを走っているね、と確認しながら。。。
でもそれは、彼と離れる時間が近付いていると言うことでした。
彼が降りるバス停になりました。
バスの中から彼を見送り、私はそのまま少し先のバス停まで乗りました。
さすがに、自宅の最寄りのバス停で待つわけにはいきませんでしたから。
バス通りから彼の家は見えませんでしたけれど、
すぐそこには彼の家がある。
そう思っただけで、私の心臓のドキドキは最高になっていました。
彼の職場の最寄り駅、家のそばのバス停。
彼の日常に今までで一番近付けたのですから。
つづく
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