食事をしながら会話の途中、私が彼に言いました。
「私達ってこうしてたまに会っているからいいんだよね。
　きっと一緒に生活は出来ない気がする。」

今までのお付き合いで感じたことでした。
きっといつも一緒にいたら、ぶつかることもあるだろうし、
関係がうまく行かなくなりそうな気がするんです。

「そうね。」

ぽつりと彼が返事をしました。



もちろん彼も同じように感じていたのでしょう。
だからそんな言葉が返ってきたのも理解できるんです。

だけど・・・



その瞬間、もの凄い寂しさに襲われました。





『住んでみなければ合うか合わないかわからないよ。
　いつか一緒に暮らせたらいいね。』

嘘でもいいから、こんな返事を期待していた自分。

バカだね私。

自分から発した言葉で、落ち込むなんて。








その日、出発ゲートで見送った彼が
いつもより早く見えなくなった気がしたのは、
たぶん気のせいなのだけれど・・・。