ちょっと無理して出先での仕事を早めに終わらせ
彼の仕事先へ向かいました。
午後の休憩時間だったら抜け出せるとのことだったので。

近くのコインパーキングに車を停め
約束の場所へ向かいました。

会える時間はたった15分。
私が遅れれば短くなってしまう。

まだ肌寒い3月の半ばだというのに、
小走りで汗をかきながら
彼がいるはずの場所へ向かいました。


そこは、彼が仕事をしている建物がある敷地内。
他にも沢山人はいるけれど、なんだか緊張。
私がそこへ着くのとほぼ同時に彼が現れました。

約2年半ぶりだったはず。
嬉しさと懐かしさと、いろんな感情が込み上げてきて
涙がぽろぽろとこぼれてしまいました。

両手を広げ私を受け止め抱きしめてくれた彼。
もしかしたら知っている人が通るかもしれないのに。


彼、以前より少し白髪が増えたかな。
私は前より太っていたんじゃないでしょうか。
いろんな欲求を食べることで満たしていたから。

いくつかのお土産をいただき、
すぐに帰らなければならない私を
車の所まで送ってくれました。

本当はゆっくりお酒を飲みながらでも話したい。
会えなかった間の出来事を。
彼のことも聞きたい。
キスしたい。
愛し合いたい。


もしかして、夜にでも会えるかなと思って、と
私の家の近くのホテルに滞在してくれていました。

そんな心遣いも彼らしい。
ありがとう。


車に乗る前のほんの一瞬、頬にキスをしてくれた。
そこではそれが精一杯。



半年前のことなのに、
今でもはっきり思い出せる。


彼に迷惑がかかるといけないと思い、
3年前に私から別れて欲しいと言ったけれど、
嫌いになった訳じゃ無いから
やっぱり好きだから。


次はいつ会えるかな。
また一緒にお酒を飲む機会はあるのかな。